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2026年 新年のご挨拶


― だがしやの灯りが教えてくれたこと ―


新年あけましておめでとうございます。

旧年中は、樋口メリヤス工業株式会社を支えてくださり、心より御礼申し上げます。


工房の片隅にある、小さな「だがしや」。それは立派な店舗でもなく、

特別な設備があるわけでもありません。けれど放課後になると、

子どもたちの笑い声が集まり、「おばちゃん、ただいま」と声がかかる、かけがえのない場所です。

このだがしやは、25年ほど前、倉庫に眠っていた在庫を整理するために始まりました。

母のポケットマネーで作った小さなウッドデッキから、すべてが始まりました。

冬にはおでんを出し、夏にはかき氷を削りながら、いつの間にか、地域の子どもたちの居場所になっていきました。


今年91歳になる母は、今も現役です。体調と相談しながらも、

子どもたち一人ひとりの顔を覚え、「今日はどうしたん?」と声をかけ続けています。

その姿は、私たち家族にとっても、会社にとっても、「続けること」の意味を教えてくれる存在です。


樋口メリヤス工業は、靴下づくりの会社です。けれど本当に大切にしてきたのは、

人の足元と、心の足元を支えることなのかもしれません。


靴下も、だがしやも、どちらも派手ではありません。

毎日そこにあって、気づけば支えになっている存在です。使い捨てではなく、

顔が見え、想いが通うもの。そんな在り方を、92年間、家族と地域と共に守ってきました。

2026年、私たちは創業92年目を迎えます。


これからは、このだがしやの灯りのように、小さくても消えない光を、

次の世代へとつないでいきたい。ものづくりの現場をひらき、子どもたちが「働くこと」や「つくること」に希望を持てる場所を育てていきます。


地域に育ててもらった会社として、これからも、地域に恩返しができる存在でありたい。足元から、暮らしから、静かに、誠実に。


本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

皆さまにとって、あたたかい一年となりますように。



2026年 元旦

樋口メリヤス工業株式会社

代表取締役 中江 優子

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